「開業準備、何から手をつければ…」
「自己資金はこれで本当に足りるのか?」
「忙しすぎて業者との打ち合わせなんてできない」
もし一つでも当てはまったなら、それは先生だけが抱える悩みではありません。
そして、その貴重な時間と労力を、もっと別のことに使えるとしたらどうでしょう?
開業準備のタスクはその道のプロに任せ、先生は「どんな医療を実現したいか」という最も重要なコンセプト設計に集中する。
そのために「開業コンサルタント」が存在します。
本記事では、開業コンサルタントの必要性、メリットや注意点、選び方まで紹介します。
2025年、医療機関の倒産ペースは過去最多
まず初めに、現実的なお話として「医療機関の倒産件数」を紹介します。
「開業してもないのに倒産の話?」と思わずに、開業後に起こり得る「リアル」を覗き見てみましょう。
過去最多を更新する倒産件数
クリニックを含む医療機関の倒産が、これまでよりも早いペースで増加していることをご存知でしょうか?
帝国データバンクの「医療機関の倒産動向調査(2025年上半期)」によると、
■ 2025年上半期の医療機関(病院・診療所・歯科医院)の倒産件数は「35件」
■ 過去最多だった2024年の上半期「34件」を上回り、過去最多のペースで推移
このまま推移すれば、年間で初めて「70件」に達するとも予測されています。
その内訳を見ると、クリニック(診療所)の倒産も12件発生しており、決して少ない数字ではありません。
※出典:帝国データバンク┃医療機関の倒産動向調査(2025年上半期)2025年7月8日
なぜ医療機関の倒産が増えているのか?
医療機関が倒産する背景には、以下のような「収益性の悪化」があります。
■ 運営コストの高騰
医療機器の購入費、医薬品の仕入れ価格、スタッフの人件費、光熱費などが軒並み上昇
■ 伸び悩む診療報酬
上記のコスト増を、現在の診療報酬だけではカバーしきれないケースが増加
■ 事業承継の問題
経営者の高齢化により、後継者が見つからず廃業を選ぶケース
当然のことではありますが、たとえ医療機関でも「収益」がなければ倒産してしまうのです。
その収益を予測、継続的に確保していくためには、綿密な事業計画が重要。その他にも、資金調達の交渉、集患のためのマーケティング、スタッフの採用・教育などタスクは山積みです。
とはいえ、医療のプロである先生が必ずしも経営のプロである必要はありません。むしろ、不慣れな準備に時間を取られてしまうより、その道のプロである開業コンサルタントに任せ、コアタスクに集中できる体制を整えるべきです。
そこで専門家である「クリニック開業コンサルタント」の出番、というわけです。
そのクリニック開業コンサルタントとは、どういう存在なのか?
次で詳しく説明します。
クリニック開業のコンサルタントとは?
クリニック開業のコンサルタントは、医師がクリニックを開業する際に必要な手続きを全面的にサポートする専門家です。
医師は診療のプロフェッショナルのため、経営や不動産、資金調達、人事、広告といったビジネス面は専門外であることがほとんど。コンサルタントは、その「わからないこと」や「手が回らないこと」を指南し、開業という大きな目標を達成するために伴走します。
何をサポートしてくれるのか?
クリニックの開業準備は、診療コンセプトの策定から始まり、膨大なタスクを同時並行で進める必要があります。
具体的なサポート内容は多岐にわたりますが、以下に例を紹介します。
■ 事業計画の立案
・どのエリアで、どんな診療科を、どのくらいの規模で開業するか?
・資金計画や収支シミュレーションを作成して成功確率を高める
■ 資金調達・融資サポート
・銀行や金融機関からの借入申請に必要な資料作成、交渉のアドバイス
・医療業界に特化した知識があるので通りやすい計画を一緒に作れるのが強み
■ 物件選定・内装設計
・立地調査や不動産交渉、患者さんが通いやすい動線設計までフォロー
・内装業者との調整も任せられることが多い
■ スタッフ採用
・求人の出し方、面接の設定、雇用契約の整備など
■ 行政手続き
・税理士や行政書士、社労士と連携して保健所や官公庁に提出する申請書類をサポート
・診療報酬請求(レセプト)関連の流れも整えてくれるケースも
■ 開業後のフォロー
・経営が安定するまでの数ヶ月〜数年、収支管理やスタッフマネジメントを継続支援
コンサルタントには有料と無料がある
開業コンサルタントには「無料」と「有料」の2種類があります。
両者の最も大きな違いは「何に対して費用を支払うか」という点。
無料のコンサルタント
無料で提供されるコンサルティングは、主に以下のような業者が担っています。
・医薬品の卸売業者
・医療機器メーカー
・調剤薬局
・リース会社・レセコン業者
・医療専門の税理士事務所
コンサルティング自体は無料ですが、その会社の製品やサービスを導入することが前提となっているのがポイント。
例えば、医療機器メーカーなら自社製品の導入、税理士事務所なら顧問契約といった形で開業後につながるビジネスが存在します。
【メリット】
・コンサルタント料金が無料
・特定分野(建築・機器・税務など)に強みがある
・開業後も提携サービスを通じて継続サポートが期待できる
【デメリット】
・利用する業者が固定され、相見積もりが取りにくい
・結果的に割高になる可能性はないか、検討が必要
有料のコンサルタント
有料のコンサルティングは、専門のコンサル会社や調剤薬局系の開業支援サービスが提供しています。
開業のコンセプト設計から資金計画、物件探し、内装・機器の選定、開業後の集患まで、総合的にサポートしてくれるのが特徴。
第三者としての客観的なアドバイスやプロジェクト管理といった「コンサルティング業務そのもの」に対して費用を支払います。
【メリット】
・幅広い分野をカバーし、手厚い支援が受けられる
・業者選定を中立的な立場で行ってもらえる
・開業コンセプトを一緒に整理し、経営視点からアドバイスを得られる
【デメリット】
・コンサルタント自体にコストがかかる
・会社やサポート範囲にもよるが、数百万以上はかかる心づもりが必要
クリニック開業コンサルタントのメリット
クリニック開業は一人で進めるにはハードルが高く、専門知識やノウハウが求められます。そこで頼りになるのが「開業コンサルタント」。どんなメリットがあるのか見ていきましょう。
開業までの「道筋」が見える
開業は、医師としていくら臨床経験を積んでいても「未知のプロジェクト」。
融資、物件、スタッフ採用…何から着手すべきか、自分のケースに合った進め方がわからず立ち止まってしまう医師も少なくありません。
開業コンサルタントは、過去の成功パターンや地域特性をふまえ、「この順番で進めましょう」という具体的な道筋を提示してくれます。余計な迷いや悩みに時間を使わず、着実に一歩一歩を進められるというのは大きなメリットです。
開業準備にかかる時間と労力を削減できる
開業に向けた準備は、ただやることが多いだけでなく、一つひとつの手続きに「時間がかかる」のもネックです。勤務医としての仕事を続けながら、自分で全ての準備を進めるのは現実的ではありません。
開業コンサルタントは、行政手続きや金融機関とのやり取り、医療機器業者との交渉など、手間のかかる業務をまとめて引き受けてくれます。
その分、先生は院長として最も重要となる「どのような医療を提供したいか」というコンセプトの具体化に集中できるのです。
信頼できる専門家とのネットワークがある
クリニック開業には、設計・建築会社、医療機器メーカー、電子カルテ業者、税理士、社会保険労務士など様々な分野の専門家の協力が不可欠。しかし、信頼できる業者を一つひとつ自力で探し出すのは大変な作業です。
経験豊富なコンサルタントは、独自のネットワークの中から先生のビジョンや予算に合った、実績のある専門家でチームを編成してくれます。業者探しの手間が省けるだけでなく、「紹介だから」という安心感がある、心強い存在です。
開業後までサポートしてくれることも
「開業」はゴールではなく、あくまでもスタート地点。実際には、開業後のほうが経営課題は増えるものです。
・なかなか患者が集まらない
・スタッフとの関係性に悩んでいる
・広告の出し方がわからない
こうした悩みにも、開業後までサポートしてくれるコンサルタントであれば、継続的に相談できるのは大きなメリットです。
クリニック経営に不安を感じやすい最初の1年を、「一人じゃない」状態で乗り越えられるのです。
依頼する前に知りたい注意点
頼もしい存在である開業コンサルタント。依頼前に知っておきたい、費用や条件面などを紹介します。
費用がかかる(有料コンサルタント)
開業コンサルタントを利用する際に、最も気になるポイントの一つが費用面です。
多くのコンサル会社では、プラン内容にもよりますが数百万円ほどの費用がかかるケースもあり、決して小さな額とは言えません。
もちろん、その対価として専門的な支援や手厚いサポートが受けられるわけですが「そこまでお金をかける必要があるのか?」と費用対効果に疑問を抱く場面もあるかもしれません。
見積もりを出してもらい、何をどこまで対応してもらえるのか事前に確認しておくことが大切です。
開業後に提携することが前提(無料コンサルタント)
無料コンサルタントでは、医療機器や薬局など、将来的にその会社と連携してもらうことが前提。そのため、そのサービスに関して「自分で選びたい」「すでにネットワークがある」という場合には、希望通りに進まない可能性があるため要注意です。
とはいえ、初めての開業であれば提携できる業者を紹介してもらえるのはむしろメリットに思う方も多いでしょう。
あらかじめ「どこまで自分の希望を反映できるか?」を確認しておけば、無料支援の恩恵を存分に活かせるはずです。
コンサルタントの質にばらつきがある
同じ「開業コンサル」といっても、対応レベルには大きな差があります。
もし医療業界に特化していないコンサルタントだと、
・診療圏調査が甘い
・医療法や保険制度の理解が不十分
・医師と患者の動線設計に配慮がない
など、専門的な視点が抜け落ちていることも。
「医療業界に精通しているか?」「開業支援の実績は豊富か?」といったチェックは必須です。
この選び方について、次でより詳しく見ていきましょう。
クリニック開業コンサルタントの選び方
数あるコンサルタントの中から、信頼できるパートナーをどう見極めればよいのでしょうか。選び方のポイントを3つ紹介します。
実績はあるか(特に自分の診療科で)
まず確認すべきは、開業支援の実績です。単に「何件支援したか」という数だけでなく、「開業したい診療科やエリアでの実績が豊富か」という点が重要。
内科と皮膚科では必要な医療機器や患者さんの層が異なりますし、都心部と郊外ではマーケティング戦略も変わってきます。自分のケースに近い成功事例を持っているコンサルタントであれば、より具体的で的確なアドバイスが期待できるでしょう。
サポート内容や金額を明確に提示してくれるか
「どこまでサポートしてくれて、費用はいくらかかるのか」という契約内容は、最も重要な確認事項です。
曖昧な説明で契約を急かすような業者は避け、以下の点を書面で明確に提示してくれるコンサルタントを選びましょう。
■ サポート範囲
事業計画の策定から内装、採用、行政手続き、開業後のフォローまで、具体的に何をしてくれるのか
■ 料金体系
パッケージ料金なのか、個別の業務ごとに費用が発生するのか、追加料金が発生するケースはあるか
■ 役割分担
先生自身がやるべきことと、コンサルタントが代行してくれることの線引きはどこか
開業後のフォローはあるか
メリットの章でも触れたように、「開業」はゴールではなく、クリニック経営のスタートラインです。経営が軌道に乗るまでの最初の数年は、集患やスタッフのマネジメントなど予期せぬ課題に直面することも少なくありません。
・開業後の経営相談に乗ってくれるか?
・集患のためのマーケティング支援はあるか?
・どのくらいの期間、どのような形でサポートしてくれるのか?
「開業まで」の支援だけでなく、その後のクリニック経営まで見据えたフォロー体制が整っているかも、重要な判断基準です。
クリニックの開業なら『メディカルシステムネットワーク』にお任せください
メディカルシステムネットワークには、全国展開している調剤薬局事業のネットワークを活かして、医師と共に「地域医療」を創り上げるというビジョンがあります。
そのため、クリニックの開業という夢を無料のコンサルティングでサポートしております。
★Point 01 コンサルタント料金は「無料」
開業のコンサルタント費用はかかりません。
「地域に根差した医療を先生と一緒につくる」というビジョンのもと、調剤薬局の併設も視野に入れながら支援いたします。
★Point 02 開業準備のすべてを任せられる「ワンストップ体制」
開業には資金計画・設計・広告・求人など多くの準備が必要です。
担当者がパートナーとなり、専門業者と連携しながら事業計画から採用までトータルで支援いたします。
★Point 03 開業後も続く「アフターフォロー」
開業した後もサポートは続きます。
健康セミナーや講演会の開催支援など集患・増患につながる企画をご提案。医業承継を考えるタイミングでの準備もサポートします。
★Point 04 集患に有利な「メディカルモール」も守備範囲
複数の医療機関を同じ敷地に集めることで、患者さんは一度に複数の診療科を受診可能。
先生方にとっては施設共有によるコスト削減や集患効果で効率的な経営ができます。
★Point 05 「診療圏調査」を無料で実施
独自のデータベースを基に、診療圏のマーケティング調査を無料でご提供。調査だけのご相談も可能です。
開業準備から開設後の医院経営まで、調剤薬局事業で培ったノウハウを活かしてサポートいたします。まずはヒアリングにて、理想のクリニック像をお聞かせください。
まとめ
本記事では、クリニック開業におけるコンサルタントの重要性から、メリットや注意点、選び方までを解説しました。
最後にポイントを振り返りましょう。
■ クリニック経営の現実
コスト増などを背景に倒産は増加傾向にあり、開業には綿密な事業計画と経営の視点が不可欠
■ コンサルタントは開業の伴走者
開業準備の時間と労力を削減し、失敗リスクを減らす頼れるパートナー
コンサルティングそのものに対価を払う「有料」と、医療機器の導入や薬局の併設などを前提とする「無料」
■ 信頼できるパートナーの見極め方
「診療科の実績」「サポート範囲と料金の明確さ」「開業後のフォロー体制」の3点を必ず確認
開業はゴールではなく、新しいスタート地点。
信頼できるパートナーを見つけて、一歩ずつ、着実に準備を進めていきましょう。
メディカルシステムネットワークでは無料コンサルタントで先生をサポートしています。お気軽にご相談ください。